「老後の病気に備えて医療保険にはいったほうがいいかな….」
「少しでも子供や孫にお金を残すため、保険に入っておこうかな….」
もしあなたがこのように考えているのであれば、この記事を読んで考えを改めてください!
タイトルの通り、老後に基本的に生命保険は要らないのです。
この記事では、その理由と老後にどう生命保険に向き合うべきかをお伝えします。
最後まで読めば、あなたの考えも変わるはずです!
老後に生命保険は不要
繰り返しになりますが、老後に生命保険は基本的に必要ありません。
ここでいう老後とは、年金受給者であることを指します。
なぜ、このように言えるのか?
理由は保険の性質上、老後に適さないからです。
では、詳しく見ていきましょう!
保険の性質上、老後に適さない
繰り返しになりますが、老後に生命保険が基本的に不要である理由は老後に適さないからです。
保険の本質は「少ない掛金で、万が一何かあったときに大きなお金を用意すること」ですが、老後の生命保険では、この保険の本来の性質を活かすことができないのです。
同じ条件の保険について、若い方と高齢の方の月々の保険料を比較してみると、これはよく理解できます。
具体例として、オリックス生命の「定期保険ブリッジ」という定期死亡保険に加入する場合を考えます。
働き盛りの30歳(男性)で死亡保険金額が1000万円、保険期間が15年という条件の場合、月々の保険料は1317円です。
契約年齢:30歳(男性)
死亡保険金額:1000万円
保険期間:15年
月々の保険料:1317円
※オリックス生命の保険料シミュレーションの結果をもとに作成(2020年7月10日時点)
一方、65歳(男性)で死亡保険金額1000万円、保険期間が15年という条件の場合、月々の保険料は19728円です。
契約年齢:65歳(男性)
死亡保険金額:1000万円
保険期間:15年
月々の保険料:19728円
※オリックス生命の保険料シミュレーションの結果をもとに作成(2020年7月10日時点)
若い方の保険料は低く、高齢の方の保険料は高くなっています。
理由は簡単で、死亡率は若い世代で低く、高齢者では高いからです。当然、30・40代で亡くなる人より、60代以降で亡くなる人の方が多いですよね。
30歳の方がこの保険に加入し、満期まで無事であれば、保険料の支払総額は、
1317円×12ヶ月×15年=237060円
65歳の方がこの保険に加入し、満期まで無事の場合、保険料の支払総額は、
19728円×12ヶ月×15年=3551040円
以上をみると、はっきり言って65歳の方の掛金は保険金額(1000万円)に対して小さな額とは言えません。
このように若い方と同じ保険金額を高齢の方が用意しようとすると、若い方の何倍もの保険料を払う必要があります。
逆に、同じ保険料で済まそうとすれば、十分な保険金額を用意できません。
つまり、掛金を増やすか、保険金額を下げるかしなければ成り立たないのです。
もう一度言いますが、保険の本質は「少ない掛金で万が一何かあったときに、大きなお金を用意すること」です。
人は年を取れば病気になる可能性は上がりますし、最終的にはみな死にます。
ちょっときつい言い方になりますが、老後において死ぬことも病気になることも万が一のことではないのです。
相続税対策に使える⁈
ここまで、老後に生命保険が適さないわけをお伝えしました。
ただ、皆さんの中には「”基本的に”必要ない」という点に引っかかっている方もいらっしゃるかもしれませんので、そのわけを説明します。
冒頭で「”基本的”に必要ない」と言ったのは、相続対策のために老後に生命保険を利用するのはアリだからです。
具体的に言うと、生命保険の死亡保険金は一定額非課税(500万円×法定相続人の人数が非課税)となるからです。
ただし、注意点があります。
そもそも相続税の基礎控除は「3000万円+600万円×法定相続人」となっています。つまり、少なくとも相続する財産の3600万円分は非課税です。
ですから、相続する額がこの金額以上なければ、そもそも生命保険で相続対策をする必要はありません。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
加入方針
以上をふまえて、老後を送っている方(年金受給者)はどのように生命保険に向き合うべきか。
現時点で生命保険に加入している方とそうではない方にわけて考えてみます。
・生命保険に加入していない方
・生命保険に加入している方
生命保険に加入していない方
そのまま生命保険に加入する必要はありません。
死亡保険も医療保険もがん保険も要りません。
心配であれば、なんにでも使える預貯金を増やす努力をしましょう。
ただ例外として、相続対策をしたいという方は終身死亡保険を検討してもよいでしょう。
既に生命保険に加入している方
掛け捨てタイプの保険であれば解約一択です。
積み立てタイプの保険は一概にはいえないので、各保険ごとの記事を参考にしてください。
相続対策で終身死亡保険に加入している場合は継続しましょう。
結論
老後において死亡することや病気になることは珍しいことではありません。
それらは誰にでも起こり得ることなのです。
生命保険は万が一に備えるのに有用な商品ですから、老後に利用するのに適していないことは明らかです。
ですから、相続対策で使用する以外、生命保険は検討しなくてよいです。